簿記の勉強をしていると,似たような言葉が出てきて,使い方がわからなくなってしまうことがあります。未払金と未収入金,前払金と前受金,さらに仮払金と仮受金は,混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。
これまでに説明した内容はこちら
今回は,仮払金と仮受金について説明します。
✔️本記事の内容
・「仮払金」は,旅費など,概算額を事前に渡しておくときに使う勘定科目です。
・「仮受金」は,出張中の社員から銀行口座に振込があったが,何のお金かわからないような時,つまり,勘定科目がわからないお金を受け取るときに使う勘定科目です。
どちらも決算までに何らかの勘定科目に置き換える必要があります。
✔️本記事のライター 管理人:ななうみ
国立理系学部・大学院卒。雇用な不安定な研究職として某大学で研究しながら,お金の勉強を始めました。独学で簿記3級に合格。現在,簿記2級合格を目指して勉強中です。 勉強のノウハウを多くの人と共有したいと思ってこのサイトを運営しています。
仮払金は,旅費など,概算額を仮に渡しておくので,決算時までに精算が必要です
社員が出張する時など,交通費や宿泊費を仮に渡しておき,後から実際にかかった費用で精算することがあります。
この時,渡しておく費用を「仮払金(資産)」といいます。
*仮払金はあとで清算して戻ってくる可能性がありますので,資産となります。
(例)社員の出張旅費として,10,000円を現金で前渡しした。
実際の交通費や旅費が確定するまでは,「旅費」「交通費」勘定にしてはいけません。
その後,旅費交通費,宿泊費を精算したら,仮払金は旅費交通費,宿泊費などの費用に置き換えられます。つまり,費用が左(借方),先ほど仕訳た仮払金を右(貸方)へ書きます。
また,使わなかったお金は戻ってきますので,左側に書きます。
この時点で,決算時における仮払金はなくなります。
仮受金は,内容が不明のお金について,仮に記入しておきます。決算時までに精算が必要です
何のお金かわからない,内容が不明のお金が入ってきた時は,「借受金(負債)」で処理をします。
試験では,「出張中の社員から振込があった」,等の文章で表現されます。
*仮受けすることによって,お金を受け取った人は,のちに何かを渡す義務ができるので,借受金は負債となります。
(例)出張中の社員から普通口座へ10,000円の振込があった。
その後,何のお金かわかったら,仮受金は判明した勘定科目に置き換えられます。つまり,仮受金が右(借方),判明した勘定科目が右(貸方)になるように書きます。
(例)仮受金の内容は,先月得意先に商品を売り上げた時の売掛金を回収したものとわかった。
この時点で,決算における負債は0になりました。
いかがでしたか。 〇〇金については,これでOKです。 仮払金,仮受金,未払金,未収入金,前受金,前払金について,混乱しないように,例を見ながら,言葉の使い方をしっかり覚えましょう。
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